【事例16】KPが友人しかいらっしゃらない方です。
こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。このブログでは、MSWとして関わった事例や思う事、MSWに関わる本や、あんまり関わらない本も含めて紹介させていただいています。
今回の事例は、MSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)としてかなり頻繁に関わる「生活保護」の方の典型的なケースです。なお、事例に関しては特定を避けるために多くの情報を変えておりますので、一部フィクションであるとご理解いただきながら、実際に自分が相談員だったらと思いながらお読みいただければと思います。
今回は外来からの入院です。
今回の方(Aさん)は、外来からの入院の患者様でした。外来で長く通われており、たまに入院するという方です。ご家族は、なし。親族も遠方にいる(はず)だが、連絡先も知らないとのこと。金銭面は比較的しっかり年金を受けているため、本人が下して医療費を払ってくださっていました。
入退院をなんどかされたところで、お金を本人が下せない体調になりつつあり、今後はどうしようかなと思ってしました。そのため、次に入院したときに、ご本人と「誰か頼れる人はいないか」とお話しすることとしていました。
頼れるのはお隣に住んでいる方。
入院されたご本人からお話を伺うと、頼れるのはお隣に住んでいる「Bさん」とのこと。病院において頼れるということは、本人の入院の手続きや、退院の準備、必要であれば退院先への見学など、お隣さんへ頼むというレベルのものではないのです。しかし、他に一切頼れる方がいないので、私はBさんへ連絡することとしました。
Bさんは、「ほかに頼れる人いないからな~」といって、本人の身の回りのものを持ってきていただいたり、金銭管理を受けてくださいました(金銭管理は、本人が直接お願いしていました)。友人がKPとなる事例はあり、多くが実質身寄りなしとなるのですが、この方のように「生活保護ではない身寄りなしの方」というのは、金銭管理面など、むしろ難しいところがあります。
※ お金の管理に苦戦した他の事例 → 【MSWの事例紹介】キーパーソンが他に入院することもある。
このケースのように、友人さんがすべてやってくださると、相談員としては、どこまで頼んでよいものかという葛藤も抱きながら、非常にありがたいと思います。
結果的に
友人さんだけが対応し、老健(介護老人保健施設)→有料老人ホームへと入居を進めていきました。その間も、外来や入院でお会いすることがあり、友人さんでもこれほど頼れる方もいるのだなと思いました。
実際に、病院だけでも、友人さんに来院いただいた回数は10回を超えると思いますし、その度に車で送っていただくなど、本当にいろいろなことを対応いただいた「友人さん」だったかと思います。
おわりに
友人とは、どこまでの関係をいうのでしょうか。私はここまでの事を、友人にしてあげられる自信はありません。
加えて、友人関係も「ただの隣人」だというので、すごいことだなと思います。
また、施設の入所の相談などの退院調整は、ある程度「本人が希望して金銭管理もお願いした友人」であれば、できるのだなと思いました。
そして、AさんとBさんの関係は、友人は友人でも、長い年月を経て、かけがえのないものになってらっしゃるのだなと思いました。
この方は、友人さんが協力してくださいましたが、身寄りが本当にない事例も多々ありました。
以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント