アパートの管理人さんは、天使か悪魔か。【MSWの事例紹介】

事例イラスト 事例編

【事例12】最後まで、掴みどころのないケースでした。

 こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。

 今回の事例は、MSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)として、入社直後に困惑したケースでした。なお、事例に関しては特定を避けるために多くの情報を変えておりますので、一部フィクションであるとご理解いただきながら、実際に自分が相談員だったらと思いながらお読みいただければと思います。

初めから、不思議な印象の方で。

 今回の患者様は、私がその病院に勤務するより前から、病院に入院していた患者様です。今回もAさんとさせていただきます。Aさんは78歳。生活習慣病で入退院を繰り返している方ではありますが、歩くこともでき、動きはそれなりに自立されていました。

相談内容は「お金」。

 この事例は、退院調整ではなく、退院が決まってから、お金がないことに気づき、介入を依頼された事例です。病院にもよるかもしれませんが、私が勤めていた病院では、自宅から入院し、自宅へ退院される方は、あまりMSWが介入することはありませんでした。

 このAさんは、退院の日程を調整するだけとなったところで、退院時の入院費が払えないですとお話をされたことで、連絡を受け、未収金の面談とともにお話を伺いました。

 ただ、Aさんは、認知症等ではないのに、私たちにウソばかり(それも、わかりやすい)話すため、お話が進みませんでした。また、Aさんには、言い方が悪いですが「世間知らず」な印象も強く受けました。私の立場としては、お金の話もそうですが、このような方が自宅で一人で暮らしていけるのかと少し心配になり(具体的には、薬だけはしっかり飲まないと困る体調でした)、「地域包括支援センター」へ連絡し、一人暮らしの高齢者としての見守りをお願いしました。

 すると、地域包括支援センターの方より、「Aさんの住所のアパートは、地域で有名な少し変わった方が管理しているアパートなんです。アパートの管理人なのに、金銭管理を手伝ったりする半面、ご自身の主張が強い方で、市役所でも、警察でも文句を言いに行く方で関わり方に気を付けたほうがよいよ。でも、見守りとかはしっかりしてくれると思う。」というお話がありました。実は、Aさんが入院中に、「Aさんの体調はどうですか」と、アパートの管理人さんから連絡があり、「家族ではないので」と答えなかった経緯もあったので、「あの人かな」という意識はありました。

 退院後のお薬をちゃんと飲んでいるかの確認をしてほしいと、管理人さんにお願いしていいかをAさんに伺うと「あの人にまたお世話になっちゃうな~。よろしくいっといてよ。」とのことでした。そのことを踏まえて、管理人さんへ連絡すると、「そろそろ退院になるのね!薬は見ておく!詳しいことははまた教えて!」とのことでした。

Aさんの退院となり。 

 それから、Aさんの退院の日程を決めていったのですが、話を伺う中で、実はAさんが入院するときに、「車」で来ていたことがわかりました。入院中ずっと停まっていたということでした。(非常に迷惑なのですがたまにいらっしゃいます。)Aさんは、自宅への退院は可能かと思われますが、とても車の運転をさせてよい体調ではありませんでした。悩んだのですが、事務の職員と相談し、2人対応でAさんの車と病院の車にに分かれて自宅まで送り、自宅までお送りし、車も戻し、病院の車で2人で戻ることとしました。

 自宅へ行くことになったので、管理人さんに連絡し、その場で薬の説明をすることとなりました。また、当日には、地域包括支援センターの職員さんにも来ていただけることとなり、少しですが見守りの体制ができて退院できてよかったなと思っていました。

自宅へ送ってみると。 

 自宅へ送っていったのですが、そのご自宅の状況に驚いてしました。本人の部屋は、5畳くらいしかないと思われるアパートの1室で、中の畳は汚れ、お風呂はありませんでした。

 ゴミ屋敷というわけではなく、単純に狭く、古いお部屋でした。Aさんはお金に困っているはずだったので、家賃が安いところを探されたのかと思い、興味でAさんに家賃を伺うと、まさかの65,000円。  

 Aさんが退院を喜んでご自宅にはいっていくAさんを見ながら、私の中では不安がいっぱいになっていきました。

 そのあと、地域包括支援センターさんと、管理人さんへ、お薬の説明と、本人の見守りをお願い、事務の職員と二人で1台の車で病院へ戻りました。

管理人さんは、天使なのか悪魔なのか。

 詳しいことはわかりませんが、Aさんは管理人さんの言うことを聞いています。ただ、私の理解では、このアパートには高額の家賃であること。一部管理人さんが金銭管理まで介入していること(Aさん自身がそこに違和感がなさそうなところが不思議ではあるのですが)を踏まえ、管理人さんがただの善意でお薬の管理や見守りをしてくださるわけではなさそうだなと感じました。

 すべて、ご自宅まで送り届けた後に気づいたことなので、私には、地域包括支援センターの職員さんに共有することしかできませんでした。

おわりに

 数年までの事例で、思い出しながら書いているので、細部で書けていないものが多々あるように思います。自分がMSWとして、入退院に直接の関係のない人間関係に介入しそうになったときに、どうすべきなのだろうと思いました。

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー)ヒナタザウルスのブログでした。

 

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