【書評】「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」を読んで

MSW関連の本の紹介

【本の紹介】MSWの新人さんにぜひ読んで欲しいと思う本です。 

 こんにちは、ヒナタザウルスです。

 今回も、本の紹介を書かせていただきます。今回は「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」という本です。

 著者:太田差惠子さん、出版:翔泳社さん

 この本は、多くの書店でも福祉のコーナーでは平置きになっており、また、私が読んだものも「第2版」とのことなので、かなり目にした方も多いのではないでしょうか。

 私はMSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)として働いているため、内容がとても身近でした。また、かなり広い範囲をシビアに書いていらっしゃる本で、今後MSWを目指す方(本の中では「病院のソーシャルワーカー」という書き方をされています。)は、一度目を通すだけでも、仕事をする上でかなりやりやすくなるのではないかと思いました。

強い共感を感じたところ

 この本の内容の多くは、筆者の方が取材で得た情報や、データに基づくものなのですが、データに基づきながらも筆者の方の想いが書かれているのではないかと思うところがあり、中でも私が強く共感したところを紹介します。

 まず、原則仕事を辞めない「覚悟」で、介護をすべきだという事を、データを基に説明されているところです。理屈ももちろん納得のいくものですし、この「覚悟」という表現が、筆者の方の想いがこもっていると私が勝手に思うところでもありますが、素晴らしいなと思いました。

 次に、介護をしている方々に対し「責める人の声は聞き流す」という記載があるのですが、そこも個人的にかなり良いなと思う記述でした。介護を自分なりに一生懸命やられている家族さんに対して、もっと、ああだ、こうだと口を出す方は居ます。なんで〇〇しないんだ。と厳しいことを言う方も、いらっしゃいます。実際に苦労をされている介護者の方の苦労は、わからない方にはわからないなと、いつも思っていたので、かなり共感しながら読ませていただきました。

 また、私自身の勤務先も含め、病院のソーシャルワーカー仲間では使っている方はいませんでしたが、たまにだけお話に参加される、いろいろなことをおっしゃる方々を「ぽっと出症候群」と呼ぶというお話は、共感とともに笑わせていただきました。

少し引っ掛かってしまったところ

 全体を通じて、不満と言いますか、好みではないなと思うところは少なかったのですが、1つだけどうしても引っ掛かってしまったところがあります。

 それは、配食サービスなどをされている業者の方とのコミュニケーションをとるために(見守りをお願いする意味を込めて)お土産などを家族が持参されるという例を紹介している記載です。

 私個人の考え方でもあり、私の勤める病院では共通の認識として、「贈り物を受け取らない」というものがあります。実際にサービスを提供したり、相談に乗る上で、「お菓子を多く貰っているから、ちょっと贔屓しよう。」という発想があったらいけないと思っています。仕事をする中で、「よい退院先を探してください」「入院を無理やり伸ばしてください」とお菓子を持ってこられたことは何度もありますが、受け取ったことはありませんし、仕事をする上で、なにか忖度をしたことはありません。

 この本では、終始「必要な時にはうまくサービスを使おう」というお話をしていたり、「損することのないように、情報を集めよう」と書いてあるのに、料金を払ってサービスを受けているのに、「少しサービス以上のことを期待できるように、お土産を買っていこう。」と私には読めてしまい、少し引っ掛かってしまいました。

 私個人としては、介護サービスの利用する側が、コミュニケーションに役立てるために、お土産を持参するという事を「なるほど」と思ってほしくはないのです。個人と個人として、お土産のやりとりを否定するつもりは、まったくありません。

全体の所感として

 内容の多くは、うなずきと共に、「よく、詳しく調べて書いてくださっているな」という印象だったのです。中には私の知識が薄く、耳が痛いなと思うところもありましたし、病院にもよりますが、この本での一般論に届いていない部分が、自分の勤務先でもあるなと思うところはありました。

 また、全体を通じてデータもかなり充実しているため、説得力もあり、勉強になった本でした。

 内容の中でも、4章と5章はMSWとしてかなり学びなることが多く、共感のあまり声を出してしまうところや、なかなか他のところでは語られない内容が詳しく書いてあり、素晴らしいなと思いました。

 6章に関しては、施設選びを患者様の家族と共に行う立場として「そんなに安くないよ~」とツッコんだり、「よくこんなに詳しく書いてくださった!」と感嘆したりしました。

 私の中に多少の違和感があるところはありますが、「地域によって福祉サービスや施設の状況は違う」ということが大きな要因かと思います。どうしても、勤務地の病院周辺の福祉サービスや施設のイメージが、私にあるのだろうと思いました。

 「おわりに」の中で、「100組の親子がいれば、100通りの方法が存在すると思います。正解はありません。」という記載がありました。私も日ごろから「正解があるわけではないので」とよく、患者様のご家族にお話してきました。

 年間に300人以上の患者様の退院調整をしてきましたが、1つとして同じようなパターンはなく、正解が「これだ」というものもありませんでした。

 ただ、不正解だと思ったものも1つもなかったなと思っています。

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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