【書評】「日本農業の動き No.209 農業と福祉 その連携は何を生み出すか」を読んで

MSW関連の本の紹介

【本の紹介】今回は少し趣向の変わった本です。

 こんにちは、現役MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスです。

 このブログでは、MSWとして関わった事例や思う事、MSWに関わる本や、あんまり関わらない本も含めて紹介させていただいています。

 最近では、病院が舞台となるような小説なども好んでご紹介しています。

 今回は「農政ジャーナリストの会」さんが出している出版物の「日本農業の動き」のNo.209「農業と福祉 その連携は何を生み出すのか」という本をご紹介します。

 本というより、冊子なのですが、こういった会が出している出版物の武器である「新しい情報」も詰まった良い本でした。

「福農連携」の素晴らしい実績や経過が書かれている本。

 この本は、「福農連携」のこれまでの経過や素敵な実績の数々、専門家が見る今後の展望などが書かれています。

 私のようにな若造末端ソーシャルワーカーでも、この「福農連携」という言葉を聞いたことはあり、また、注目されて当然だとも思います。

 この本を読めば、「福農連携」の現状にかなり詳しくなれると思います。

 一方で、一般的な本屋さんにはないであろう「会の出版物」であり、元から想定される読者のターゲットもある程度の知識または興味があることが想定されていると思われます。

 いわゆる、「読みやすい」本ではないです。

 そのうえで、専門性が高く、情報量の多い本ですので、紹介をさせていただます。

まずは、データなどを紹介します。

 日本の障がい者人口は900万人以上。人口の7%以上だと言われています。実際に登録を受けている方の人口がこの規模なので、もっと多くの方が様々な障がいと戦っておられると思います。

 その内訳としては、400万人強が身体に障がいを持たれた方、400万人弱が精神障がいを持たれた方。残りの約100万人が知的障がいを持たれた方となります。

 データには続きがあります。

 障がい者の中で、18歳以上64歳未満の、就労を期待される世代の人口が約360万人と言われており、その中で何らかの形で働かれている方は約80万人ほど。  

 いわゆる「現役世代」の方々も約20%ほどしか働けていないのです。

 こういった現状を打破するために、法律が作られたり、多くの福祉関係者の方々が尽力しています。私自身も、以前にいくつかの事業所と関わらせていただいていた経緯もあり、現場の方々の活躍には頭が上がりません。

 それでも、「障がい者の就労」はまだまだ進める必要があります。

 一方で、日本の農業人口はここ20年で約200万人減り、地域によってはかなり深刻な人員不足があります。こちらは、詳細は割愛させていただきますが、かなり厳しい状況です。

 現時点で農業で活躍されている方々の平均年齢が高いことも、今後の担い手不足は本当に悩ましい話となってきます。

 この両者の問題を一挙に解決できないかと期待されたのが「福農連携」。

 理屈は簡単ですが、簡単なことではないのは明らかです。

 それでも、期待された以上の相乗効果が出ているお話が、この本の中でも書かれていました。

私がこの本で「お~」となったところ。

 この本の中で書かれている事例などで、すごいなと思うことはたくさんあったのですが、そのうち一つを抜粋させていただきます。

 また、精神障がいの人は体を動かす方が良いようです。彼らの悩みには眠れないことが大きいと言います。農園では、太陽光を浴びます。そうすると、狂っていた体内時計が正常になります。かつ適度な運動をすることで体が疲れます。そうすると、精神障がいは治らないまでも、常用していた睡眠導入剤をたとえば一錠減らすことができます。頭がすっきりして、作業のペースがとれるので、長くはたらけます。そういうサイクルにもっていくために、農業でできることがいろいろあります。

本紙P80 京丸園株式会社 代表取締役 鈴木厚志さんの質疑より引用 

 

 この例だけではなく、「福農連携」は、働きたい、働き手が足りないといったニーズの合致だけではない素晴らしい効果を出していることが、この本を読んで再認識されました。

 

おわりに

 私は、おじいちゃん子で、よく畑仕事を手伝っていました。

 草いじり、土いじりといった「アウトドアな作業」をすることが結構好きです。

 そういった作業の中で、なぜかスッキリする感覚があるのだと思います。

 その意味でも、「福農連携」がよりよい形で進むことは、様々なよい効果をもたらしてくれるような気がしています。

 また、私の大好きな日本の「農業」が「福農連携」により、今後少しでも担い手不足解消に進むことができたら、本当に素晴らしいことだと思います。

 この本は、楽観的に「福農連携」の展望を描いているわけではなく、専門性高くこれまでの歩みに関しても学ばせてくださいました。

 それでも、私はこの本から確かな「希望」を感じました。

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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