「うらやましい孤独死」を読んで

MSW関連の本の紹介

【本の紹介】最近読んだ中でも圧倒的に読んでほしい本です。

 こんにちは、現役MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)のヒナタザウルスです。

今回は「うらやましい孤独死」という本を読んで、思ったことをブログにさせていただきます。

著者:森田洋之さん、発行:三五館シンシャさん、発売:フォレスト出版さん

表紙もインパクトがあり、内容もインパクトがあり。

 私は、孤独死に関係するような本を何冊も読ませていただいていますが、この本は一つの答えを教えてくださっているように思います。

 ※ ブログで紹介した、孤独死に関連する書籍

  → 第51回 「おひとりさまの最期」を読んで。

  → 第34回 「おひとりさまの老後」を読んで

 読んだ後にすぐに思う事としては、多くの医療・福祉関係者にぜひ読んでほしいということです。私は一人の病院に勤めるMSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)として、自分の中で抱いていた葛藤の多くの答えがこの本の中に書いてあったように思います。

 ただ、自分の仕事の実践が、この本を読んで改めて目指すべきものととかけ離れている現実も否定できません。それに、多くの病院に勤める方が、この本に提示されている多くの事例やそこから導き出せる事実に、これまで正解だと思っていたことに対する切ない気持ちになる可能性はあります。

 私自身、この本の内容をすべて賞賛するのであれば、財政破綻をし総合病院も閉鎖した夕張市で働く

決断をした、著者の森田先生のように、職場を変えなければいけないのかもしれません。それくらいのインパクトのある本です。

 転職はしませんが、本の紹介だけは精一杯やらせていただきます。

人間のかかるもっとも重い病気は「孤独」なのか。

 まえがきの中には「それまでの人生が孤独でなく、いきいきとした人間の交流がある中での死であれば、たとえ最後の瞬間がいわゆく孤独死であったとしても、それはうらやましいとも言えるのではないか?」という記載もあり、この本の主旨はこれです。

 そして、読んだ後の私の感想としては、「うらやましいと思う」です。

 そう思う理由や事例は本誌にしっかり書いてあるので、ぜひ読んでほしいです。

 私は病院のMSWとして、「認知症で独居は難しい(と思われるから)」「食事制限が出来ず、独居では健康が保てないから」「入退院を繰り返しそうで(家族が)心配だから」という理由で、多くの方に、病院からの退院先として施設やそれに準ずる退院先を紹介して、調整してきました。

 そのことに関して、一概に間違えているとは思っていません。お1人お1人に対し、自分なり関係者の方々と悩み、理解のある医師にも恵まれ、苦しみながら支援してきたつもりではあります。

 また、意思を伝えることができる方は、ご本人の希望をないがしろにしたことはありません。(実現できなかったことはとても多いですが。)

 ※ ご自身の意思を表現していただくことも、難しいことも多いです。

  → 第58回 自己決定って難しい。

 ただ、自分の中で「正解だった」と思う支援ばかりではなく、本文中の言葉を借りるのであれば「医学的正解」と、「その人の人生にとっての正解」の間で揺れ動く気持ちを感じていました。その気持ちに関しては、この本で1つの答えをいただくことができたように思います。

正解はなんなのか。

 私自身は現在、療養型病院のMSWをしているので、この本の目指すような支援とは、すこし違っていることが多いかもしれません。ただ、この本に書いてあることを自分なりに落とし込むことで、相談を受けるうえで自分なりに納得のいく応答ができるような気が少ししています。

 ちなみに、本文の中でも著者の森田先生の葛藤がしっかりと書いてあります。一部、抜粋させていただき、この本の書いてあることの「難しさ」を共有できればと思います。

 「たしかにその判断は医師としては間違っていなかった。医師が100人いたら、99人は同じような対応をするだろう。しかし、今の私は、その時の自分が根本的に間違っていたと断言できる。それは、患者さんの人生の大きな決断に際し、医師としての判断のみを重視し、患者さんの思いを軽視した、いや、もっとはっきり言えば聞こうともいなかったからだ。」(本文のまま引用です。)

 私は、社会福祉士で、医療の知識はほとんどありません。それでも、医療が人の命を(幸せを)救う場面を、何度も見てきました。その発展速度も、すごいことは分かります。

 そのうえで、現代の高齢者の方々のと医療の関係は、医療の発展が高齢者の方々の望むものを追い抜いて、突き放してしまっているのかもしれません。

 そんな葛藤の多いいまこそ、考えるべきことが書いてある本だと言えます。

私たちMSWはどうしていくべきなのか。

 さて、私たちMSWはどうしていくべきなのか。終の住処として、施設や病院を紹介することはいけないことなのでしょうか。少なくとも、いまの日本では間違ってはいないと私は思います。

 私は、これまでに独居で自宅から来て、「最後まで置いてくれる病院を探してほしい」と言われたこともあります(事例ブログ→ 第55回 希望にどこまで添えたのだろうか。【MSWの事例紹介】)し、施設にいたっては、入りたいとおっしゃる方も少なくありません。

 大切なのは、本人の気持ちがどうなのか。そして、ご本人の希望(時にはご家族の希望)にどこまで支援できるのか。本文中の言葉を借りれば、「思いにアプローチする『覚悟』と『技術』」が必要なのだろうと思います。

 この本を通じて、改めて目指すべきMSW像がくっきりとしてきたような気がします。

おわりに

 今回の本は、私の近年読んだ本の中でも、もっとも私に衝撃を与えた本でした。

 私のなかにあったもやもやしたものを、言語化してくださっているように思います。

 本の「おわりに」で「読んでくれた方々の心の中に、ほんの少しでも何かが残ってくれたら」という記載がありますが、私の心には大きく残った本であることは間違いありません。

 ちなみに、本の中で「あおいけあ」という施設が登場しているのですが、そちらの施設に関する本も以前に紹介しているので、そちらのリンクも貼らせていただきます。

→ 第21回「世界が注目する日本の介護 あおいけあで見つけたじいちゃん・ばあちゃんとの向き合い方」を読んで

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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