【書評】「寂しい生活」を読んで

本の紹介

【本の紹介】稲垣えみ子さんの、話題にもなった本です。

 こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。このブログでは、MSWとして関わった事例や思う事、MSWに関わる本や、あんまり関わらない本も含めて紹介させていただいています。

 今回は「寂しい生活」という本を読んで、思ったことをブログにさせていただきます。

 著者:稲垣えみ子さん、発行所:東洋経済新報社さん

 福祉に直接な関係は少ないかもしれませんが、ぜひ紹介したい一冊なので、ブログにしました。

冒険譚と呼べるものだと思います。

 この本は、新聞記者として活躍し便利で快適な生活をしていた著者が、東日本大震災の時の福島の原発事故を契機に、個人的脱原発計画として、使う電気代を減らしていくお話です。

 「はじめに」の書き始め、冒頭から引き込まれたので、引用させていただきます。「これは、ある都会の片隅で数年間にわたり、人知れず繰り広げられた冒険の物語です。」(原文のまま)

 この書き出しの通り、本そのものも「冒険譚」としてワクワクして読めてしまいました。

 ちなみにですが、「節約のすぐ使える知恵」が書いてあるような本ではないこともお伝えしておきます。むしろ、人生というものすごく難易度の高い冒険に、すごい先輩が素敵な参考を残してくださった本だと私は理解しています。

本の内容について 

 本の内容としては、オール電化の高級マンションで、月に3000円の電気代をいかに下げるか工夫し、とうとう月に家賃20万円のマンションから、月に5万円の古いマンションに住み替え、電気代を月に150円にまで減らす体験が書かれています。

 その中で、自分を大きく見せようとしてきた事や、豊かさ、便利さの無意味さを実感していくのですが具体的な内容を読むたびに「そうかぁ~」と納得してしまいます。事実として、「無くてやっていけている」方のお話ですから。

 一方で、「有るのが普通」の電化製品を手放す場面は、本当にびっくりします。
 洗濯機、冷蔵庫、エアコン、炊飯器、電子レンジ、ドライヤー、掃除機など。稲垣さんは、すべて手放して行くのですが、私は何一つ手放せないと思っているので、本当に手放せるのだろうかと考えさせられます。

 贅沢な消費「電気」「持ち物」「ガス」「水道」「広い家」「仕事」を手放し「人からどう見られるか」「どう評価されるか」を手放すと、本当に爽やかなんだよということが書いてあります。物の溢れたこれからの時代を生きるヒントがあるように思いますね。

欲しがる欲はなくならない。

 本の後半では、多くのものを手放し「自由」を手にした筆者のたどり着いたお考えが書かれています。本当の自由って、「なくてもやっていける」自分の発見だそうです。「そう来たかぁ」って感じです。

 たしかに、私は物欲にかなり支配されています。なんとなくアマゾンのアプリを開いては「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい」と思っています。この感情から解放されることができたら、自由なのかもしれません。

 また、最後の方では便利なものに囲まれて生きることで、どんどん動かなくなってしまう現代の社会に対する筆者の方のお考えが書かれているのですが、本当に考えさせられるものばかりです。

 本の中で「『便利』に人生が盗まれる」という表現がありましたが、その通りなのだと思います。現在の、少なくとも日本では、日々「便利」なものが生まれて、流行らされていっています。

 果たして、それらが私たちに与えていることは、よい影響ばかりなのでしょうか。私程度の体感で恐縮ですが、カーナビに頼るようになり道は覚えられません。手書きの機会が減り漢字頻繁に調べなければ正しく書けません。スマホがなければ外出が不安です。

 これは、幸せになっているのでしょうか。

 かといって「新しいもの、便利なもの好き」な私の性格はしばらく変わらないと思います。

 ただ、この本が私の脳内に新しい風を与えてくれたことも、間違いありません。

おわりに。

 原発の問題は、自分たちの子どもの未来、地球の未来の問題でもあります。

 かつて、原発事故の直後こそ節電していたものの、正直今はどっぷり電化製品生活に浸かっている事に違和感も感じなくなっていたことも強く感じます。
 原発事故から10年がたっても、核廃棄物の処理や、汚染水の処理に困っているニュースが日々流れてきて、目にしているにも関わらず、それが自分の毎日の節電には繋がらず、別世界の出来事として捉えていたことを痛感しました。

 そんな自分に自戒の意味も込めて、この本をお勧めしたいです。
 稲垣さんまではいかないまでも、せめて今日から、少しでも節電や、実は無くても良いものを手放していきたいと思います。

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー)ヒナタザウルスのブログでした。

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