【書評】「車イスの私がアメリカで医療ソーシャルワーカーになった理由」を読んで

MSW関連の本の紹介

【本の紹介】カッコ良すぎる女性のお話です。

 こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。このブログでは、MSWとして関わった事例や思う事、MSWに関わる本や、あんまり関わらない本も含めて紹介させていただいています。

 今回は「車イスの私がアメリカで医療ソーシャルワーカーになった理由」という本を読んで、思ったことをブログにさせていただきます。

 著者:上原寛奈さん、発売:幻冬舎さん

中学生の方!来年の読書感想文はコレに決まりだよ。

 この本は、難病(若年性多関節リウマチ)になられた方がその病気と戦いながら、働く姿を描いている本です。

 私は日本でMSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)として働いていることもあり、ほぼ「ジャケ買い」(表紙と直感で買う事)をしたので、思った以上の凄まじい内容に驚きました。

 逆に、日本でいう「MSW」の仕事が書いてあるわけではないので、そこの勘違いには気をつけていただけるとよいのかもしれません。(ジャケ買いが好きなのは私くらいかもしれませんが。)

 もし、私がいま、中学生くらいの子どもに「読書感想文書くのに良い本ない?」と聞かれたらこの本を薦めます。

勇気をもらえる本です。

 本を紹介する上で、文末に「所感」として記載されている、大阪府社会福祉協議会の小西会長の文がこの作者さんの凄さを言い表しているので、紹介させていただきます。

 以下、原文のまま引用。「友人からこの自叙伝の所感を依頼されたが、五歳で若年性多関節リウマチを発症、小学生時代はほとんど病院で過ごし、中学校は養護学校の訪問学級、高校は通信制。それでいながら女子短大を経て、カリフォルニア州立大学、南カリフォルニア大学大学院をいずれも首席で卒業、臨床医療ソーシャルワーカーとなったストーリーを前に躊躇した。この圧倒的な人生に何を語ればいいのかと。」

 本当に、圧倒的な内容なのです。表紙の帯にも「人生、何回転んでもまた立ち上がれば良いじゃない。」と書いてありますが、この著者さんの力強い姿を、本を通じて見ることで、立ち上がる勇気を確実にもらえる本なのではないでしょうか。本の「はじめに」で、「使命の本です。」と書いてあるのですが、その「使命」が誰かを確実に勇気づけていると強く思います。

勝手に共感させていただいたところ。

 アメリカでソーシャルワーカーとして活躍した著者が、仕事を続けられた理由は、患者様からの”Thank you”の言葉だった。との記載がありますが、これは洋の東西を問わず、病院でソーシャルワーカーとして働くものにとって万人共通ではないだろうかと思います。著者は「私は単純だったのだろう。」と書いていますが、とんでもない!

 患者様を直接支援し、感謝の言葉も直接伺える。ここに醍醐味を感じないソーシャルワーカーがいるのであれば、お目にかかって転職を勧めたい(くらい)に思います。

 むしろ、私には「圧倒的な人生」を送っているように見える著者が、私と同じところにソーシャルワーカーのやりがいを感じていることは、私にとっても励みになりました。

仕事をされている描写を読んで思ったこととして。

 アメリカでの仕事っぷりが書いてある章は、中でも読んでいて学ぶことが多く、興味深いものでした。アメリカでのMSWは、私の感覚では日本のMSWよりも精神的な支援が中心となっているように思います。(私はカナダの病院も見学に行かせていただいたことがあるが、そこでも同様に感じた覚えがあります。)日本のMSWにとって精神的な支援が軽視されていると言いたいわけでは当然ありません。

 ただ、日本でのMSWが、「退院支援加算」という項目で「経営」に貢献している以上、退院支援という仕事の側面が、また、転院相談を受ける立場であれば、転院を受けるという側面が、目立っていることは否めないように思います。

 私自身、MSWを名乗っておきながら、「いかに退院させるか」に頭を奪われてしまうこともあるため、少し情けない気持ちになりました。

 この本からは、本当にいろいろな学びがあります。

おわりに。

 この本を読んでいて、「患者さんに共感できるMSW」はいるのだろうかと思ってしまいました。

 私は日ごろから「MSWの仕事は、人生経験が大事」だと思っています。人の人生の終末期の相談に乗ることが多いわけですから、自分のいろいろな経験が、患者さんやその家族さんとの会話を盛り上げたり、説得力を増したりします。

 でも、まったく同じ支援の仕方でよい患者さんがいないように、まったく同じ説明・支援をするMSWもいないところが、この仕事の面白さかもしれません。

 奥の深い仕事についてしまったことも、再認識させていただける本でした。

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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