転んだ貴方は、だれですか。【MSWの事例紹介】

事例イラスト 事例編

【事例4】身分証なし、お金無しの方が来た時に。

 こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。

 今回のケースは、急性期のMSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)らしい(と、私が思う)ケースです。なお、事例に関しては特定を避けるために多くの情報を変えておりますので、一部フィクションであるとご理解いただきながら、実際に自分が相談員だったらと思いながらお読みいただければと思います。

大体、インパクトのある方は救急車から登場します。

 ある日、救急の医師より電話を受け、救急外来にいくと、あるお爺さん寝ていました。

救急隊の方からお話を伺うと(救急車の救急隊の方々のお話は、かなり大切な情報源です)隣のA市で転んで倒れていたようです。
 ただ、本人は身分証もそれに近いものもなく、自称「田中さん」(完全仮名ですが、よくある苗字を名乗られました。)とのことでした。
 救急隊のみなさんがその情報を元に周辺の市に問い合わせをしたところ、B市に住所がありそうで、C市の生活援護を受けてそうということがわかりました。

 MSWとしては、この人がどこのだれで、入院するようであれば誰に連絡すべきか、入院にならなければ、帰り道はどうするかを考えなければなりません。

どちらの、どなたかを探っていく

 幸いにも、救急隊の方から大きな手がかりをいただけているため、それを元に探っていきます。

まず、1番情報があるであろうC市へ連絡。生活援護の方は、保護を受けているので医療費もかかりませんし、家族構成なども聞けないかなと期待します。
 ただ、電話した際には担当の方が不在で、折り返しをいただくことになりました。

 次に、住んでられるB市住所の近くの地域包括支援センターへ連絡します。年齢的にも対象になり、なにか情報がないかを伺いました。特にはないそうです。ただ、地域包括支援センターの方もよい方で、同僚の方にもいろいろ聞いてくださったところ、周辺の地域で同じ名前を名乗り、ホームレスとして徘徊されているところを、警察の方に保護された人が、最近いたとの情報を得ました。有益です。

 その後、C市の生活保護の担当の方より連絡をいただきました。どうやらこのお爺さんは、もともと完全なホームレスであったようです。

 C市からほど近い海辺でホームレスとして生活をされていた方が、ある日海辺で倒れており、C市の総合病院に搬送されました。そちらで、生活保護の対象となり、C市の保護下に入ったようです。

 ただ、その総合病院は現在、新型コロナウイルスの患者様を受けれなどもしている病院で、ベットが混み合い、このお爺さんを入院させておけなくなったとのことです。困ったC市生活保護担当が、県内の無料低額宿泊事業(別途、記載予定。生保の寮などと呼ばれることもあります。)を探し、B市のNPOさんがやられているアパートへ入居させているところだったようです。

 そのアパートから、徒歩でなんども転びながらA市に行き、そこで大きく転んで、救急車で当院へ。

そもそも、田中さんなのか?

 つまり、B市でホームレスとして保護されるまでなんの経歴もわからない方なのです。身分証もないので、名前も自称、生年月日の自称、生まれも自称。

 生活保護で保護されたところからの情報しかありません。そもそも田中さんなのかもわからない方だったのです。

 幸いにも、転んだ軽傷だけだったので、NPOの方に迎えにきていただき、入院にならず帰りましたがこのお爺さんの詳細は分からないままです。

おわりに

 私の中では、急性期MSWの割と定番事例として紹介させていただきました。相談員なのですが、身元を調査するということは、稀にあると思います。

 また、この日も出なければいけない会議の2分前に連絡があり、この方の対応をし、会議にいけませんでした。相談事例は突然やってきます!

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最期まで読んでいただき、ありがとうございました。

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