【書評】「健康で文化的な最低限度の生活(1)」を読んで。

MSW関連の本の紹介

【本の紹介】ドラマ化もされた生活保護の漫画です。

 こんにちは、現役MSWのヒナタザウルスです。このブログでは、MSWとして関わった事例や思う事、MSWに関わる本や、あんまり関わらない本も含めて紹介させていただいています。

 今回は「健康で文化的な最低限度の生活(1)」という本を読んで、思ったことをブログにさせていただきます。

 著者:柏木ハルコさん、発行:小学館さん

生活保護制度の現状を多くの方に知らせた名著です。

 この漫画は、生活保護制度や、そこに従事する行政職員の現状を非常にしっかりと、かつしっかりと漫画に落とし込んだ、素晴らしい漫画です。2018年には吉岡里帆さんが主演でドラマ化もされており、多くの方が知っている作品なのではないでしょうか。本来であれば、もっと早くご紹介させていただくべきでした。

 現在(2021年4月)でも漫画の連載は続いており、私自身は8巻くらいまで読んだことがあるのですが、今回は1巻を中心に「本の紹介」として、書かせていただきます。

考えさせられる内容です。

 私は、病院のワーカー(MSW)として働く前から、行政の生活保護を担当する方々に知り合いが多く、非常に多くの事例で共に関わってきました。

 その中でいつも「この人たちは福祉のことを全然やりたいと思っていないのに、福祉職の最前線とも言える生保のワーカーしているのか~。葛藤あるだろうな~。」と思っていました。

 そういった部分が非常に上手に描かれている漫画です。

 実際に、内部で役所の中で生活保護(以下:生保)の部署にいきたくないという話を聞くことは多く、逆はほとんどなかったと思います。また、少なくとも私が関わってきた市町村等では、「障がい福祉課」の特に精神障害に関する担当の方などは、福祉関係の有資格者が多かったですが、生保を担当する方々に有資格者は少なかったです。

 この漫画を読んでいただければわかりますが、生活保護で対象の方々と関わるためには、非常に福祉的な理解が必要となります。

 そういった意味では、行政職員で生保の担当になる人も、他の仕事(病院や施設の相談員など)で行政の生活保護の担当の方と関わる人も、ぜひ読んでほしい漫画です。

思ったことをいくつか。

 読んだ直後の感想としては、「よく調べて書いてらっしゃるな~」でした。偉そうな感じで申し訳ありません。そして、思わず「謝辞」のページを見たのですが、内容の重厚さに納得のいく多くの機関や施設の名前が載っていました。さぞ、多くの方に話を聞いて書かれたのでしょう。

 そしてまた、私のように「福祉がしたくて仕事にしている」人間と、「人事異動でやりたくもない福祉の仕事をしている」方々とでは、辛さの種類が違うのだろうな。と思いました。

 それこそ、私にとって衝撃的だった、通称「小田原ジャンパー事件」と呼ばれる事件。生保の業務を担当する神奈川県小田原市の職員が「生活保護なめんな」的なことが記載されているジャンパー等(マグカップとかもあったはずです)を使用し、業務を行っていた不祥事を思い出しました。

 確かに、気持ちとしては理解できる部分はありますが、「自費でグッズを作るほどなのか」と、当時思った記憶をがあります。

 やりたくもない福祉の仕事をしているという土台の上に、一般事務職としては驚くような対象の方々との、お金というシビアな仕事。気持ちが荒んだのかなと、今更ながら少し思いました。

 読んでいて病院のMSWとして1つだけ言わせてほしいところがありました。漫画のコマのなかで生保の担当の方が「病院で問題行動・・・転院先をさがしてほしい?」というセリフがあります。 

 少なくと私の経験では、転院先を生保の担当者が協力してくださったことは、無いです。病院のMSWが転院調整を頑張り、その報告をするといった形しか、経験上はないかと思います。

 逆に、生保の担当者さんで転院先を探すことは、いわゆる紹介状等の準備も難しいのではないかなと思ってしまいました。(転院調整をしている生保の方がいらしたら、申し訳ありません。)

おわりに

 私は実際に、MSWとして後から入った方に、おススメの本としてこの漫画を紹介します。そして、読んでいただいての反響もとてもよかった印象です。実践的で、難しいデリケートな話を、漫画というツールに落とし込み、理解を広げる。素敵ですよね。

 

以上、MSW(医療ソーシャルワーカー、社会福祉士)ヒナタザウルスのブログでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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